日本にいるとあまり馴染みのないサマータイム。皆さんは聞いたことがありますか?
アメリカ留学や旅行を検討している方、またヨーロッパへの旅行を検討している方は聞いたことがあるかもしれません。
アメリカやEU諸国では日中の活動時間を増やすために、サマータイムというものが導入されており、場所によっては夜の9時まで明るいなんてことも。
そこで今回はこのサマータイムに関して徹底解説しようと思います。
- サマータイムとはどんなもの?
- サマータイムのメリット・デメリットはを知りたい
- サマータイムってアメリカ以外でも採用されているの?
この記事ではこのような疑問を解決することができますので、サマータイムに関して興味がある方はぜひこの記事を参考にしてくださいね!
サマータイムとは
サマータイム(夏時間・Daylight Saving Time(DST))とはヨーロッパやアメリカなどで実施されている、3月〜11月に時間を1時間進める制度です。
日本ではサマータイムとして知られているのですが、英語ではDaylight Saving Time(DST)と呼ばれています。
3月〜11月の期間は日照時間がかなり長いため、時計の針を1時間進め昼間の時間を長くし、1日をより有効活用しようといったことを目的としています。
日中(Daylight)を 有効活用する(Saving)時間( Time)と理解するとわかりやすいですよね。
アメリカのサマータイムの期間
アメリカのサマータイムの期間は、3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までの間となっています。
2021年今年の場合は、3月14日〜11月7日までです。
サマータイムの始まりの時間は3月14日の午前2時で、時計の針を午前2時→午前3時に1時間進めます。
終了時間は11月7日の午前2時で、時計の針を午前2時→午前1時に戻します。

旅行や留学でアメリカに行く際には気をつけようね。
アメリカでも地域によってはサマータイムがない
サマータイムは日照時間が長い日中を有効活用にするために行われているものなので、一年を通して日照時間があまり変わらない南の地域ではサマータイムを採用していない地域も数多くあります。
例えばアメリカとメキシコの国境付近に位置するアリゾナ州や、ハワイ州などは、一年を通してあまり日照時間が変わらないため、サマータイムを採用していません。
日本もかつてサマータイムが実施された
日本人にとってサマータイムはあまり馴染みの無いことかもしれませんが、かつて日本でもサマータイムが実施されていた期間がありました。
第二次世界大戦後日本はアメリカのGHQの指導のもとで、1948年4月28日に「夏時刻法」と呼ばれる日本でサマータイムを実施する法律が適用されました。

サザエさんのワンシーンでも時計を1時間進めるシーンがあったらしいよ!
ですが、残業や生活リズムの混乱などの理由により、1952年のGHQの占領が終了後その法律は廃止され、その後70年近く日本ではサマータイムは実施されていません。
参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%8F%E6%99%82%E5%88%BB%E6%B3%95
EUではサマータイム廃止の法案が可決された
下でも詳しく紹介しますが、現在EU加盟国のほぼ全ての地域でサマータイムが実施されています。
しかし、生活リズムの混乱や社会・経済活動への影響を懸念し、2021年に「サマータイム制度の廃止」を決定する法案が可決されました。

日本だと馴染みがない概念だけど、サマータイムの期間中は頭がかなり混乱しちゃいます。
※2021年9月現在、コロナの影響により「サマータイム制度の廃止」に関しては一時延期されています。
スマホの時間は自動的に変更される
「サマータイムが実施されたらスマホの設定をしなきゃいけないの?」
と疑問に思う方も多いかもしれませんが、最近のスマホであれば自動でサマータイムに切り替わります!
2020年東京オリンピックに向けて、サマータイムの導入の可否が日本でも議論されていた際にも
「日本のスマホでもサマータイムって適用されるの?」といった疑問がよく上がっていましたが、位置情報さえわかればスマホが自動的に時間を変更してくれるのでかなり便利ですよ。

Wi-Fiや電波にさえ繋がっていれば自動的には切り替わるよ!
サマータイムはなぜあるの?
日本人にとってあまり馴染みがなく「なんでサマータイムが必要なの?」と思う方も多いことでしょう。
僕もアメリカに来るまではサマータイムを経験したことがなく、「なんで必要なんだろう」と疑問に思っていました。
なのでここでは、アメリカに来てサマータイムを経験してみて思ったサマータイムの必要性(メリット)を3つ紹介しようと思います。
1.自由時間が増える
サマータイムの期間は夜に暗くなるのが1時間遅くなるので、夜にでも自由に行動できるようになります。
アメリカでは日本みたいに24時間営業している店や、夜遅くまで空いているお店が少なく、夜に出かける場所が少ないのですが、サマータイム期間ならいつもより出かけられる場所が増えます。
またお買い物やお出かけにもに行く人が増えるため、経済的な効果も期待できます。
2.治安が良くなる
アメリカでは繁華街とはいえ、夜になるとかなり治安が悪くなります。
ですがサマータイムの導入により、夜も明るく、女性や小さい子供も出歩くことができます。
3.ストレスが軽減される
日本だと夏場とはいえ夜の7時には外が暗くなり、「今日も一日終わったな…」と少しどんよりとした気持ちになりやすいのですが、
サマータイム中のアメリカでは、夜9時くらいまで明るいところが多く、1日が終わるストレスも解消することができます。
また仕事終わりなどにも遊びに行くことができるので、日々のストレスを解消できちゃいますよ。
サマータイムのデメリット
サマータイムの実施に関しては賛否両論があり、上でも紹介した通りEUではサマータイムの廃止が決定されていたり、アメリカでもかなり物議を醸しています。
ではなぜサマータイムが物議を醸しているのか、詳しくみて行きましょう。
1.生活リズムの乱れが生じる
夏時間(3から)や冬時間(11月から)への切り替わりのシーズンは特に生活リズムの乱れが生じると言われています。
考えてみたら当たり前なことですが、昨日までの生活リズムと1時間変更になるので、朝起きる時間や寝る時間、また仕事や学校に行く時間がど全てが変動します。
またサマータイムにより日照時間が増えることで、ビタミンDの生成が促され、皮膚がんのリスクも上がってしまうらしいです。
2.社会・経済活動への支障
出勤時間や退勤時間が一定の会社にとって、1時間前後することにより混乱やトラブルが起きやすくなってしまいます。
また株や証券などの取引にもトラブルが起きやすく、社会・経済活動への影響が懸念されています。
3.夜なのに寝れない
特に子供を9時前に寝かしつける家庭にとっては、かなり違和感があることだと思います。
日本だと9時頃には外は真っ暗で、部屋に光が入って来なく快適に寝れるのですが、アメリカでは9時ごろでも明るいところが多いです。
そのため周りが明るくて子供の睡眠に支障が出てしまいます。また仕事や学校で疲れて、早く寝たい場合でも外が明るいので眠りにつくのが困難になる恐れがあります。
サマータイムを実施している国を紹介
次に世界的にみて、サマータイムを実施している国々を紹介しようと思います。
アメリカ・カナダ
開始日:3月の第2日曜日
終了日:11月の第1日曜日
ヨーロッパ諸国
開始日:3月の最終日曜日
終了日:10月の最終日曜日
メキシコ
開始日:4月の第1日曜日
終了日:10月の最終日曜日
ブラジル
開始日:2月の第3日曜日
終了日:10月の第3日曜日
オーストラリア
開始日:3月の最終日曜日
終了日:10月の最終日曜日
※他にもサマータイムを実施している国は多くあります。気になる方は調べてみてくださいね。
※基本的にアジア諸国ではサマータイムを実施していません。
サマータイムで注意するべきこと
最後にサマータイムで注意すべきポイントを紹介します。
時間を間違えないようにする
サマータイム期間中には、いつもと1時間時間が前後するので、仕事や学校、また旅行の予定がある方などは特に気をつけましょう。
特にサマータイムに慣れていない日本人にとって、うっかり忘れていると次の日に痛い目を見ることになります。
サマータイムが終わる時なら1時間早めに来るのでOKなのですが、サマータイムが始まる3月は特に気をつけるようにしましょうね。
日本との時差が変更になる
日本に住んでいる家族や友人、また取引先の方と連絡を取る際にはサマータイムをしっかり考慮しましょう。
ニューヨークなどの東側に住んでいる場合
日本との時差
サマータイム中:13時間
サマータイム後:14時間
カリフォルニア・ワシントンなどの西側の場合
サマータイム中:16時間
サマータイム後:17時間
日本とのやりとりや連絡をする際にはかなり重要なので、覚えておくと良いでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回はアメリカのサマータイムに関して紹介しました。
初めてアメリカに旅行に来る方や留学に来る方にとって、日本には無い少し慣れないことなので、最初の方はかなり戸惑う方もいるかもしれません。
うっかりサマータイムを忘れて普段通り生活していると、「1時間遅れちゃった。」なんてこともありえます。
ですが正直、サマータイムに移り変わるときに特に予定やプランがない場合は、あまり心配しなくても大丈夫です。
もしスマホではなく、アナログのアラームを掛けている場合は、時間を1時間戻すのを忘れないようにしましょう!
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